値崩れしない車とは!?希少車から値崩れしない法則を探る!

クルマにも「アシの早いもの」とそうでないものがあります

サバやイワシのような青魚は鮮度が落ちやすいので、鮮魚市場関係者の間では「アシが早い」と言われています。中古車買取市場でも、「アシが早いクルマ」とそうでないものがあります。今回は希少車の例を挙げながら、値崩れしにくい車のポイントを見ていきましょう。

年式は昭和! 走行距離20万キロでも200万円という奇跡

型式名AE86というクルマがあります。正式名称はトヨタ・スプリンタートレノです。漫画作品『頭文字D』で有名になったこのクルマが製造された時代は1983年から1987年です。実はこのクルマ、駆動方式がFR(後輪駆動)だったこともあり、漫画の連載開始以前より、中古車買取市場でも高値安定物件として一定の評価を得ていました。

ところがです。この頭文字DブームによってAE86の中古車価格が一気に高騰しました。登録から30年ほどが経過し、走行距離も20万キロ前後であるにもかかわらず、頭文字D仕様にカスタマイズされた物件に200万円以上の値段が付いていることもあります。

もちろん、AE86のようなケースは稀(まれ)です。しかし、毎日血眼になって中古車情報を見ていると、中古車買取市場で価格がほとんど変わらない車種がいくつかあることがわかります。そして、それらにはいくつかの共通点があることも見えてきます。

基本仕様変更によって生まれる希少性

モデルチェンジの過程で様々な機能が追加される、性能向上が図られることがありますが、反対に忘れ去られる、廃れてしまう技術もあります。AE86が最後のFRと呼ばれたように、「最後の○○」と呼ばれるモデルが中古車買取市場で一定の評価を得続けることがあります。

ポルシェ911、最後の空冷エンジン

ポルシェ911は、1998年に生産が開始された996型から、エンジンの冷却方式がこれまでの空冷から水冷に変更されました。冷却方式としては、空冷よりも水冷の方がはるかに優れています。しかし、中古車価格的としては、最後の空冷エンジンである993型の方が高値安定で推移し続けています。

アルファロメオのツインスパークエンジン

かつては、ツインスパークエンジンが奏でる甲高いエンジン音でマニアの心をわしづかみにしてきたアルファロメオですが、車買取市場では5年モノあたりから一気に価格が下降する銘柄としても知られていました。しかし、フィアット社が開発した低燃費高効率エンジンを搭載したモデルが中心になった数年前から、ツインスパークエンジン搭載モデルの価格の下降がピタリと止まりました。

絶滅危惧種としてのマニュアル

トランスミッションの進化には目を見張るものがあります。7速8速はもはや当たり前の多段化やデュアルクラッチによる電光石火の変速など、こうした進化は燃費や快適性の向上に確実に貢献しています。しかし、その一方で現在販売されている新車から、マニュアルトランスミッションが設定された車種はごくわずかになりました。

日本国内と比較してはるかにマニュアル車の販売率が高いヨーロッパの小型車でも、日本ではマニュアル車の設定をしているモデルはほとんどありません。確かに、マニュアル車に乗りたいユーザーというのは少数派です。しかし、新車のマニュアル車が少なくなればなるほど、中古車買取市場では価値が高くなります。

したがって、十年落ち前後の小型フランス車のマニュアルというカテゴリーは、比較的に値崩れの少ない安定銘柄です。フランス車は故障が心配という方には、ドイツ車にもわずかながら小型マニュアル車の安定銘柄があります。それは、フォルクスワーゲンポロのGTIです。フォルクスワーゲンですから、フランス車に比べて圧倒的に販売店網も整備されていますので安心です。

値崩れしない車のポイントまとめ

買取価格も含めて、中古車の価格は相場によって左右される部分がとても大きいものです。相場とは、市場において需要と供給のバランスによって決定される取引価格です。確かに、白いBMW3シリーズのワゴンのように「並べておけば売れる」というクルマはありますが、こうした銘柄の価格でも、一般に時間の経過とともに緩やかながらも一定の下降線をたどっていきます。

しかし、値崩れしにくいクルマというのは、時代などに左右されることなく、ある一定の需要が発生し続けるものです。基本的に、根強い人気の車種であっても、同じシリーズで新しい型が出てくると価格は下がってしまいます。この点、希少車であっても、古ければ価格が下がらないというわけではありません。重要なのは、そのクルマにしかない特徴を有していることです。そして、「そのような特徴を有するクルマが後に出てこない」ということこそが、値崩れしにくいポイントといえるでしょう。

希少車にはクルマ好きを唸らせる(うならせる)ものが多いのですが、中には型落ちしてしまうものもあります。しかしながら、誰も気が付かなかったこだわり満載の中古車を探すというのも、クルマ選びの楽しさと言えるのではないでしょうか。